25.03.2015

スマホ撮影術とティルトシフト – 射影ひずみ補正について

25.03.2015

スマホ撮影術とティルトシフト – 射影ひずみ補正について

先週、スマホ撮影者が直面する、被写界深度とその課題について書かせていただきました(英語記事)。
今週は、スマホ撮影においてのティルトシフトの要素の1つを取り上げて、テーマを広げてお伝えすることからスタートしたいと思います。

おもちゃの街

本記事は、ティルトシフトのミニチュア化の解釈についてではないのですが、ついでにご説明させていただきたいと思います。
ティルトシフト撮影というフレーズは、実際の生活環境がおもちゃの街のように見えることと関連づけられることもあります。iPhoneのアプリには、こういった見かけを作ること専用のものもいくつかあります。そういった見かけを作るのに特化してないアプリでさえ、素晴らしいアプリSnapseedのように「ティルトシフト」フィルターを含むものもあります。

Instagramで、「tilt-shift (ティルトシフト)」のハッシュタグで検索すると、非常に多くの例が見つかるでしょう。以下は、私自身の撮影したものの中の一例です:

steam-train

鍵となる要素は、通常なら画像の中心に向かう水平域における、非常に狭い被写界深度です。おもちゃの街のようなルックスは、広大な都市の景観や風景を横切り、見下ろし見渡し撮影されたクリアなイメージで最も成功するようです。ティルトシフト効果は、面白い効果をどんなイメージにも適用することができます。

ティルトシフト専用のアプリやティルトシフトフィルターのある一般的なアプリは、以前、被写界深度とフォーカスの記事でご紹介したような、美しいアウトオブフォーカスの光の効果を作り出すことはできないと思います。これらのアプリは、通常シャープなグラデ効果を撮影シーンに追加する代わりに、アウトオブフォーカス効果をシミュレーションしようとはしないのです。
このため、私は、先週ご紹介した、少しだけ自然度を高くみせる効果を真似ることのできる被写界深度効果アプリを使うようにしています。

スマホ撮影での変化

おもちゃの街は、ティルトシフト撮影の面白い解釈ですが、本日は、ティルトシフトを構成要素までブレイクダウンするプロセスから始めたいと思います。
特に、シフトに関して着目したいと思います。
これまでの撮影機材ですと、両方の面から独立してコントロールできる専用のティルトシフトレンズを取り付けることができました。スマホ撮影では、現実的に、オプションとしては、被写界深度とは異なり、アプリが限られてはいますが、シフト効果は非常に直接的にシミュレーションできます。

シフティングとは?

シフティングの目的は、パースの歪みを修正することです。例えば、グランドレベルからイメージを捉えたとき、様々な建物をとらえることもあるでしょう。これらの建物の垂直ラインは、高さが縮んでしまいます。ポスプロ段階で、アプリで画像をシフティングすることで、このパースの歪みを修正することができます。

ministract-before
この写真は、見上げた際に捉えたイメージの例です。たくさんの垂直、水平のラインが、縮んでしまう垂直ライン問題を浮き彫りにしているという点で、良い例といえるでしょう。
イメージを捉えるとき、自身のポジショニングの重要性も表しています。
このケースでは、全ての水平ラインを確認して、レベルや平行であることを確認し、建物を四角形に正しくそろえようとしました。

正確性は、このような比較的シンプルな被写体を撮る際、非常に重要だといえます。

ministract-frontview

FrontView – 比較的最近のアプリは、より洗練されてインタラクティブではありますが、それでも、FrontViewは、私にとっては矯正院的存在であり続けています。 イメージを単純にインポートし、4つのコーナーそれぞれを配置し、保存します。 最近、このアプリは無料となりました。

この機能を含む一般的なアプリにまだ出あっていません。このため、自分のトップ10アプリを考えるとき、いつもこの専用’シフト’アプリを入れます。

私が使用する他のアプリ:

  1. SKWRT – 非常に新しいアプリです。 レンズの歪みを含む、そのほかの歪みのタイプを修正(または追加)することもできます。
  2.  Perspective Correct

ministract-after

‘shift’処理後、縮んでいた縦線が修整されたのがわかると思います。
自分が、この被写体に向かっており、イメージの中心と同じ高さであるという印象を与えることができます。このイメージは、ミニストラクトスタイル(ミニマルパートアブストラクトの一部 – Tom McLaughlan参照)に見える試みの一部として撮影され編集されました。

ペイントスタイルの処理で遊ぶと、どのようにシーンを描くかを想像させてくれる機会となります。実際は違うものだとしても、アーティスティックな手段は、縮まない縦線を確立することを探ろうとするように思います。

199-steps-capture

199-steps-frontview

199-steps-after

199-steps-painterly

シフティングに関する最後の備考です。
私にとって、収斂する縦線は、画像にダイナミックな質を与えてくれるものです。実際、多くのフォトグラファーが、強調するために短い焦点距離のレンズを使って楽しんでいるのです。
私の意見としては、こういった理由で、縮んだ縦線もしくはその他の歪みを正すことは、自動的なものであるべきではなく、アーティスティックに考えた後にとられる手段の1つであるべきだと思っています。
私は、単純に修正することで自分を制限するというよりは、歪みを取り入れたり、作ったりもして楽しむことが往々にしてあります。

次週、ティルトシフト撮影の’ティルト’の面に注目しようと考えています。
ティルトすることは、私が特に楽しんでいる分野でもあります。

Skip 

Skipとは 友達に知られているニックネームです。
Paulは、英国リンカーン出身の、展示会を開くこともある、プロのiPhone写真家で、受賞経験もあります。
彼は、自身のブログ skipology.com の運営に成功しており、自分のイメージを作成するのに関連するアプリや編集プロセスについて紹介しています。
彼のスタイルは、低い位置からのストリートスナップから、テクスチャー/ペイント重視の合成画像まで幅広く、全てをiPhoneやiPadのみで作成しています。
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