2015年初夏。マンフロットの故郷、イタリアはバッサーノ・デル・グラッパに向かうために、ミラノのマルペンサ空港に降り立ちました。
今回の目的地 バッサーノ・デル・グラッパは、南北に長いイタリアの中でも、北部寄りに位置します。一番近い空港は、ヴェネチアのテッセラ空港なのですが、ミラノからもアクセスはそれほど悪くありません。ミラノ中央駅から列車で3時間ちょっと。車窓から流れる風景を眺めながらの旅も乙なものです。今回は乗り継ぎの関係で、ミラノ→ヴィツェンツァ(市街地が世界遺産で有名だそう)で下車、そこから車で移動しました。
バッサーノ・デル・グラッパといえば、マンフロット…と言いたいところですが、街の代名詞になっているのは、
この「ポンテ・ヴェッキオ橋」。
この地方では非常に珍しい木造建築の屋根付き橋です。現地で腕利きの修復師を見つけるのも難しく、つい最近も、日本から修復調査隊がやってきていたとか。
この橋の周辺に広がるのが、旧市街地です。歴史的建造物や、かわいらしい雑貨屋さん、美味しそうなトラットリアやオステリアなどをぶら見するだけでも、気分が上がります。
名物の地酒”グラッパ”の蒸留会社の1つも軒を連ねています。
バッサーノは、現在の長閑な光景とは対照的に、第一次世界大戦では激戦の地だったそうで、今でも、追悼像などが街のあちこちに置かれています。
バッサーノののんびり、ともすれば浮世離れしたように感じるゆるりとした雰囲気は、そういった背景からくる平和への切なる願いがベースなのかもしれません。
そんな市街地の中心から、車で10分ほど走ったところに、マンフロットの本社があります。
旧市街の雰囲気と一変し、かなり近代的です。ちなみに、イタリア北部は、大きな工業都市を要する地域で、ナポリ等のある南部とは、雰囲気も全く異なります。バッサーノの近くの街には、大手アパレルブランドなど、様々なイタリア企業の本社が存在します。
今回は訪問しませんでしたが、ここからさらに車で1時間前後走った「フェルトレ」という小さな街に、マンフロットの工場があります。先日発売された「Off road コレクション」でコラボした、アウトドアメーカー「FIZAN社」もマンフロットの工場の近くにあります。
その代わりに…という訳でもないのですが、バッサーノから電車で1時間未満の都市を2つ巡りました。
1つは、ご存知 水の都「ヴェネチア」。
街自体が迷路のようになっていて、ぶらり歩きにも熱がこもります。
マンフロットのお膝元、と言えなくもないせいか、マンフロットやジッツオの三脚を使用して撮影している人を何人も見かけました。
もう1つが、ヴェネト州を代表する都市の1つに数えられる「パドヴァ」。
祈りと学問の街としても知られています。
街のあちこちで、素敵なフラスコ画などを見かけ、イタリア人の(時として困惑するほどの)アート魂は、こんな環境からやってきているんだなぁ、と妙に納得させられます。
イタリアの華やかさとのんびり具合を同時に味わえる、この北イタリアコース、是非、次の旅にいかがでしょう?
(北イタリア 食べ物編に続く)