私の以前の投稿では夜間の写真撮影の基本について書き、「都市撮影」の中でもクリエイティブな撮影方法についても触れました。
都市はかなり独特な状況といえるものを持っています;写真のスタイルと性質は、都市を昼間に訪れるか、それともよるに訪れるかで、まったく異なったものになります。
日中には全く気づかれなかった要素が、夜間には特殊な照明により惹きの中心になることがあります。 これと正反対の時もあります。日中には面白い要素が夜間には何の変哲もない要素に変わったりします。
こういったことで時間を無駄にしないためにも、自分自身が場所について知る、そして場所の知識を持ち、良いアドバイスをくれる人々を信頼することが大切です。
ブルーアワー
すべては「ブルーアワー」、日没に見られる特定の瞬間から始まります(太陽が水平線に沈みきっているが、大気に反射されるため、光がまだ溢れている状態)。
通常、ほとんどのビルや場所の人工照明は日没時に点灯します。そのため、すでに人工的な照明がある建物と対照的に、独自のカラー効果、まだ明るい空に強烈なブルーが生じます。
これが「ブルーアワー」と呼ばれる現象で、名前が示す通り約1時間しか持続せず、この現象の後、空はより濃く暗いブルーカラーに変化します(満月ではない限り)。
ブルーアワー後、空は写真を撮影する者にとってあまり興味を引くものではなくなります。良い空の写真を撮るには、光害を避けるために都市から離れたところに行く必要があります。 ですので、都市内では、例外的に人工照明源にフォーカスすることとなります。
撮影すべきもの
2つの都市が同じということはありえませんが、一連の共通の特徴をなぞっていくことは可能です;アーティスティックで写真的な要素は、通常、写真を非常におもしろくしてくれるものであり、夜間の撮影状況で、ベストとなることがあるということです。
スカイライン
スカイラインは“都市のパノラマ”とも定義することができるでしょう。 全ての都市がこのタイプのイメージに適しているというわけではありません。 最もよく知られているスカイラインはニューヨークですが、他のあまり知られていない多くの都市も同様の特徴を誇ります。
良いスカイライン写真の基本は:
- 高層ビルとその他の建築物
- 自身と被写体の間に障害物のない視点となる数百メートルの空間があること。
かなりの距離をとって撮影された建物やスカイスクレーパーを含む、最も有名なスカイラインは、たまたま撮影できたのではなく、川を挟んで建物をとらえたり、海の上のボートや船から撮影されているのです。
広大な風景をキャプチャするには、こういった状況で広角レンズを使用するか、ポスプロで複数枚の画像をつないでパノラマを作成することをおすすめします。
また、直接、カメラ内蔵のセッティングを使用することでパノラマ撮影することができるカメラも多くあります。詳しくはご自分のカメラの取扱説明書をご覧ください。
高い場所から撮影する画像
写真を撮影したいと思っている都市で、高い場所から撮影する可能性を検討してみましょう。
一般の人間がが出入りできるビル(エッフェル塔)、高層ビルまたは鐘楼など、それが何であれ、高い場所から低い場所にカメラを向けてください。
この場合、広角レンズである必要はありません。むしろ面白い構図を作る特定の場所を望遠レンズなどの狭い視野を使用して撮影すると、素晴らしい撮影結果が得られるでしょう。
高架橋
高架は写真撮影において、多くの創造的なアイデアの源になります。 通常、これらは鉄道や交通が激しい道路の上を横切ります。
駅の手前にある、線路を横切る高架をお探しすることをお奨めいたします。 このような状況ですと、人工照明の性質、構図スタイル、創り上げるグラフィックの効果によって、感情に訴えるものとなります。
広角レンズも良いですが、興味ある場所に焦点を合わせる画像には、標準レンズでも充分です。
重要事項:立つ場所には注意してください! 道路脇で撮影する場合、通り過ぎる車のドライバーがあなたを見ることができるように、目立つ反射式ベスト等を着用しましょう。
噴水と公共の公園
こういったものは間違いなく都市のメインとなる特徴です。 夜間照明で照らされる噴水または公園、あるいは噴水が全くない公園のある都市はないと言っても過言ではないでしょう。
これらの被写体で面白い画像を創り出すのは難しいことではありません。三脚にカメラをセットし(ポータブルでコンパクトな Manfrotto beFreeをおすすめします)、10~15秒のシャッタースピードを使用するだけです。 噴水は、水の噴出に従い光跡を残して、非常に印象的なイメージを作ります。
特徴のあるビル
都市に関して興味深いものの1つに、非常に特色のある建造物、もしくは、審美的/建築的に重要な建造物は、イルミネーションされるようにお金がかけられているということです。
夜間に都市を歩き回ると、そういったものはすぐ目に入りますので、それを興味深いアングルから撮影するだけでよい、という訳です。
このような状況で、よくある失敗の1つが、遅すぎるシャッタースピードを使用する、ということです。
カメラ内蔵の露出計は、窓の濃度の高い光に惑わされがちですので、少し撮影シーンを明るくするセッティングに調整することが必要になると思います。(露出を1絞り調整するか、マニュアルモードであれば、シャッタースピードを遅めにするとよいでしょう)
結論
夜間の都市撮影の目的は、きちんとライトアップされた建築要素を撮影することです。
面白い建築要素に出会っても照明の質が低い場合、かなり長い露出時間で撮影したとしても時間の無駄です。 深さと品質に欠ける画像ができあがるだけです。
奇妙なことに、平凡な場所でも照明が優れている場合、たいへん面白い写真が撮影できることもあります。 完璧な例はスーパーマーケットの駐車場のシンプルな写真です!
私の次の投稿では人気の高い夜間の撮影テクニックの詳細について語ります!
Alessio Furlan
フリーランスフォトグラファー、写真学講師、著者、ブロガー。
ウェブサイト: www.alessiofurlan.com
ブログ: www.tecnicafotografica.net
Facebook: https://www.facebook.com/alessiofurlan.fotografo
Twitter: https://twitter.com/alessiofurlanph
Instagram: https://instagram.com/alessiofurlanph/
Flickr: https://www.flickr.com/photos/alessiofurlanph/