世界中を震撼させた東日本大震災から2年半。
世界中のたくさんの方の支援のおかげで町はすこしずつ、人々は生活をもどしつつある。
― 私はそんな東北に生きる人々の暮らしと町の原風景を撮影しています。
変わったもの、変わらずにそこにあり、生きるもの。
露出を適正より+1段半で、ハイコントラストに撮影するのが私の写真の撮り方。ホワイトバランスも少しだけブルーに傾けると海の青さが一層引き立つ。
海沿いで、ふと目線を変えれば、震災の爪痕が多くの場所で確認される。津波が抉った大地にはいまだに海水が溜まったまま。
漁港ではいまだに多くの所で復旧工事が行なわれているが、水揚げは震災前にもどりつつあるそうだ。
私が暮らしているのは宮城県の塩竈という小さな港町。町の中心にある鹽竈神社では震災の前日、3月10日に毎年開催されている”帆手まつり“という祭事が行なわれていた。
元は火伏せの祭りとして、春を告げる神事として行なわれてきたようだが、今では震災復興の象徴の意味もある。そして2013年も厳かにご催行された。
フォトグラファー:大江 玲司(Reiji Ohe)
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※大江さんの暮らす塩竈は、写真の街。2013年9月13日~23日に、「塩竈フォトフェスティバル」が開催されます。