12.09.2013

境界線を辿る

12.09.2013

境界線を辿る

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震災から一年後、東北の陸と海との境界線を辿るように撮影してまわった。
痛々しい光景もたくさん見たが、変わらず海の色は美しい。

日本の神道の中では自然は二つの魂を持つと考えられている。
1つは和魂(にきたま)。自然の優しい、温和な力を指す。
もう1つは荒魂(あらみたま)は、 人に祟りを及ぼすような力であり、神の「怒り」を示しているともいわれている。
私たちの祖先たちはそういった自然の2つの顔に感謝したり、祈ったりしてたくさんの災害を乗り越えてきた。
海沿いに神社やお寺が多いのはそのためなのだろうか。

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陸と海との境界線を辿っていると、時々吹き飛ばされそうなほどの強風が吹く。
自分の中を通り抜けていく風は身体と自然との境界線をとても曖昧にする。
一種自然に溶け込んでいくような感覚が気持ちいい。風の音とシャッターの乾いた音だけが周囲に響く。

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フォトグラファー:大江 玲司(Reiji Ohe)
Website : http://www.reijiohe.com/
※大江さんの故郷、宮城県 塩竈市は、写真の街。2013年9月13日~23日に、「塩竈フォトフェスティバル」が開催されます。

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