人物を景色に寄り添わせる。
第四回目となる今回は、私の目指すポートレイトについて書きたいと思います。
大学3年生になってからというもの、色々な雑誌や写真集を読み漁る中で、自分の中にじわじわとポートレイトへの興味が湧いてきました。人が人を写すという行為はとても面白く、終わりがないことのように感じたのです。
また、撮る人によって同じ被写体でもまったく違う表情を写せることがポートレイトの魅力です。ファインダーを覗いて見ることのできる表情は、写す人だけが味わえる醍醐味だと思います。
人が人を写す – そんなシンプルなことが世の中に無数のポートレイトを生み出しているのです。
ポートレイトを撮るときに私が大切にしていることは、背景を探す、ということです。
街で見た景色にどのように人物を置くかを考えることで、イメージを膨らませていきます。
ポーズや表情は、その瞬間にしか写らないものなので、あまり考えないようにしています。
そして、あまり寄り過ぎず、被写体に一番馴染む構図を探します。そうすることで、被写体と背景が重なり、空気感のある写真に仕上げることができます。
目の前の景色に被写体を寄り添わせる。
そうすることで空気感のある自然な表情を引き出せると信じ、私はシャッターを切っています。
魵澤和之(KAZUYUKI EBISAWA)
1991年、福島県生まれ。東京都在住。
2014年日本大学芸術学部写真学科を卒業し、現在は都内スタジオで勤務中。
2011 グループ展35,654,400sec Gallery LE DECOにて
2012 第一回日中大学生写真交流展 出展
行幸地下ギャラリーにて
2013 日本大学写真学科「出て来い新人2」出展 新宿Nikonサロンbisにて