堺には、古い和菓子屋さんが数多くあります。
茶道発祥の地ということもあり、抹茶に合うお菓子が多く作られたのだそうです。
このお店は江戸時代創業。ひときわレトロな外観が目を惹きます。
名物は「肉桂(ニッキ)餅」。
「肉桂」は今で言うシナモン。もともと薬として日本に入ってきたものを使って考案されたそうで、先祖代々受け継がれてきた味です。
大福の餅にニッキが練りこまれていて、餡とのハーモニーは絶妙!写真で伝わるかしら?
のれんを守る屋台骨のご主人は日本人離れしたおカオでハンサム。とっても気さくです。写真がご趣味だそうで、私のカメラを見て「僕も撮って♡」
伝統を守る苦労もあります。生き残るためには、こだわり+時代に合った創意工夫も必要だとか。
餅はすぐ固くなってしまうから、個別包装をして日持ちするように。やさしい思いやりです。現代の人が好むような新製品も日々考案。ニッキを使ったカステラやようかん、最中にところてん。工夫の産物が店頭に並びます。
「じゃあ、この中で一番オススメのお菓子は?」と聞くと、照れくさそうに「やっぱり肉桂餅」。
見た目は派手ではないけれど、ひとつひとつに込められたまごころが、美味しさを引き立てる。そんな風に感じました。
敬意を表して我が家のキッチンでも撮影!
三脚を立ててクリップオンストロボ2台を使いました。美味しそうでしょ?
安藤 早苗/Sanae Ando
大阪府堺市在住。フォトグラファー。