18.06.2015

失われた場所について:星景編 Part1

18.06.2015

失われた場所について:星景編 Part1

[イントロダクション]

連載第1回目では失われた場所(Lost Places)の撮影に関して、連載第2回目ではInstagramにおけるワークフロー等に関して紹介してきた。
連載第3回目となる今回と次回の連載第4回目では、ここ数年私が取り組んでいる星景撮影について、必要となる準備や撮影方法について写真と共に紹介していく。

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[星景写真とは]

星空と景色を一緒に写した写真を星景写真と言う。

星だけを写す天体写真と比較して、星空と一緒に写す風景(前景と呼ばれる)に各々の撮影者の個性が出るという特徴がある。

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[準備するもの]

1.デジタルカメラ

マニュアルモードでの撮影が可能であること。

高感度撮影に強いものが望ましい。

2.レンズ

被写体や構図にもよるが、24mm以下の広角レンズが適している。

F2.8以下の明るいものが望ましい。

3.三脚

ただ撮るだけであれば入門用のものでも構わないが、頻繁に性能や機能がアップデートされるデジタルカメラ本体と違い、三脚は大切に使えば長く使える。その為、出来ればしっかりとしたものを選ぶと良いだろう。

私は(本連載依頼を頂く以前より)Manfrotto新055シリーズのプロアルミニウム三脚3段+RC2付き3ウェイ雲台を使用している。

新しい「クイックパワーロック」システムでは片手での脚セクションロックが可能となっており、暗い中での星景撮影でも、円滑にセッティングを進める事が出来る。その他にも最大耐荷重の向上等、旧シリーズと比較して大きくパワーアップしていることから、旧シリーズを使用しているユーザも十分に買い替えや買い足しを検討する余地があるだろう。(事実、私も旧190シリーズからの買い足しである。)

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マンフロット 星空撮影

 

基本的には上記のものがあれば撮影は可能であるが、以下、あると便利なものを記載していく。

4.ライト

基本的には真っ暗な中での撮影となる為、ライトは必ず持って行ってほしい。

前景となる被写体を照らす必要がある際にも役に立つ。集光機能付きのものが使いやすい。

5.ケーブルレリーズ

インターバルタイマー機能が搭載されていないデジタルカメラでインターバル撮影(詳細は第4回で後述する)を行う場合、
30秒より長い時間の露光を行う場合、または、連射機能を用いた連続撮影を行う場合に必要となる。
インターバル撮影用途の場合はインターバルタイマー機能付きのものを選択する。

6.ソフトフィルター

明るい星をより大きく見せることが出来る為、星座を強調する場合等に有用である。

ただし、地上風景も同様にぼやけてしまう為、私はあまり使用しない。山岳風景や森等を前景とする場合には良いだろう。

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マンフロット 星空撮影

 

7.カイロ

冬季限定だが、長時間寒い場所で撮影する場合はカイロがあると暖かい。

貼るタイプのものを全身に貼るのがおすすめだ。

8.レンズヒーター

特に外気温の低くなる冬季や湿気の多い場所で撮影する場合、レンズが結露してしまうことが、わりとよくある。

長時間の連続撮影を行った後、気づいたらレンズに夜露がびっしりついていて写真がもやもや、とならない為にレンズヒーターがあると望ましい。

レンズヒーターについては大手メーカーではほとんど見かけない。”横田さんのヒーター”が私のおすすめだ。

9.時間を潰せるもの

長時間の連続撮影を行う場合や、雲が流れるのを待ったり、特定の星座や天の川を構図に入れる為に待ったり、と通常の撮影と比較して待ち時間が多くなるのが星景撮影の特徴のひとつだ。宇宙の神秘に思いを馳せながらゆっくり待つのも悪くは無いが、携帯ゲーム機やポータブルDVDプレーヤー等、時間を潰せるものがあると待ち時間も苦にならないはずだ。

10.運と折れない心

天気予報は晴れマークなのに、現地に着いたらずっと曇りで1枚も撮らずに帰路に着く。これは星空を撮影するカメラマンにとって、一度は経験のあることだと思う。
良い星空に巡り合う為の運、駄目だった場合の折れない心、これらは特に我々の様なアマチュアカメラマンにとっては重要だろう。

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啝(わ)

失われた場所クロニクル
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2006 志免炭鉱竪坑櫓に衝撃を受け、写真を撮り始める
2013 グループ展「廃墟展6」(彩珈楼ギャラリー)
2014 グループ展「廃墟展7」(彩珈楼ギャラリー)
二人展「コウサテン」(デザインフェスタギャラリー)
グループ展「ハイキョテンVol.1」(Gallery cafe bar LIS)

 

以下、今後の出展予定

グループ展「史上最強のインスタグラム展」(Photons Art Gallery)
2015.6.15-6.21
グループ展「廃墟展8」(彩珈楼ギャラリー)
2015.6.15-6.28
個展「失われた場所プラニスフィア」(オリンパスギャラリー)
東京会期:2015.10.30-11.4
大阪会期:2015.12.4-12.10

 

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