23.09.2015

料理写真:自分を写真に入れる

23.09.2015

料理写真:自分を写真に入れる

マフィンに伸ばす手、食べられる直前のスプーン上の食べ物、手の上のペーストリー…人の存在は一般的な食べ物の写真を生き生きとした写真に変換します。 写真の中の人の存在は写真を温かくエネルギーに満ちたものに変えます。

このような写真の中の人の存在は幾つかの方法で提示できます。 写真家もカメラの前に立たなくてはならないので、撮影はそれほど簡単ではありませんが。
また、三脚という必須アクセサリーが必要になります。 他に使い道がなければ高価な三脚に投資する必要はありませんが、 三脚がなければ、写真に自分自身を含ませるというオプション撮影は限られてきます。

リモートコントロールもお奨めですが、絶対必要というわけではありません(状況によってはかなり役立ちますが)。 自分がいる所から動かずに遠距離から撮影できます。 リモートコントロールがなければカメラのタイマーを使用しましょう。 その場合、写真が撮影する数秒前には撮影場所に戻る必要があります。

何をしたいか、によって自分自身を写真に入れ込む方法は変わってきます。 もちろん、手を背景にいれて撮影する場合、自撮りと同じテクニックが必要になります。
以下、私が自分自身を入れ込んで撮影する際の方法をいくつかご紹介いたします。

– 背景に人が存在することを示唆する
自分の存在を写真に入れ込みたいだけなら、撮影の背景の中に自分の手を入れこんで撮影することをお薦めします。 その理由は手に焦点を合わせなくてもよいからです。

写真1
配置は簡単です。撮影したい構図に従ってカメラを配置します。 手をどのように写真に含みたいか考えてセットしてみてください。 食べ物に焦点が合うように調整してみてください。
その後カメラタイマー(またはリモート)ボタンを押し、背景に戻って手を入れ込んで、写真が撮影されるのを待ちましょう。

食事中、料理中、テーブルの準備中など好きな場面を設定できます。 手にフォーカスを当てる、または外すには、被写界深度をいろいろ変えて背景を鮮明したり、ぼかしたりしてみてください。

– 閲覧者の立場になってみる

もう一つのテクニックは写真の閲覧者の立場になってみることです。 この方法では通常のようにカメラの後ろから写真を撮影しますが、三脚の両側から両手を構図に入れるため、例が示すように手は写真の下側に写ります。

写真2

このような写真を撮影するにはカメラを三脚の上に置きます。 右手で写真を撮影します。 そして左手で被写体を持ちます。

平面にレイヤー的に何かを並べたてるたりすることは避けてください。手の周辺の装飾要素を取り除き、画像の読み込みを容易にしてください。 絞りを開け(浅い被写界深度)、背景から被写体を少しボケさすことができるようにします。 最後にテーブルに座った時の自然なシーンを再現するために、カメラを30度に傾けて「投影」の印象を強調します。

小さなカメラがあれば、三脚がなくてもこのようなシーンを作ることができます。 一眼レフでは多少いろろな技巧が必要となってきて難しいですが、不可能ではありません。 上記の写真はすべてこの方法で撮影されました。

– 上からの撮影を試す

上から撮る写真は、簡単に手をシーンに入れることができるためとても便利です。
このような撮影には、カメラを床と水平に配置する三脚とリモコンが必要となります。

写真3

これらのショットは設定が大変シンプルです。
希望の構図と手を写真に入れ込む方法に従ってカメラを配置し、絞り/スピードの比率を確認します。
そして、被写体に明確に焦点を合わせます。 まずどのようなショットが撮れるか確認するために自分の手を含まずに撮影します。
リモートをディレイモードにセットします。 クリックしてから自分の手をシーンに入れ、カメラが撮影してくれるのを待ちます。

撮影結果を確認し、必要な場合、手の構図や配置を調整します。
上の例では(左から右)、グラタン料理(最後に両側に手を添えました)、ローストチキン(ブラシを加えました)、そしてワッフル(手と一緒に撮影したもの)がフォーカスの対象です。

– 前景に手を入れる

前回とポイントは同じですが、もっと古典的なシーンで手を前景に入れました。
雰囲気を作り、ストーリーを語るために、何らかのアクションを実行して手を加えましょう。

写真4

左の写真ではテーブルに座る時間を示すために、ラザニアをカットするシーンで自分を入れました。 右の写真では、アペタイザーと夕食前のカクテルを楽しむリラックスした雰囲気を作りました。 一方の手で楊枝を持ち(フォーカスがある所)、もう一方の手でコップを持っているのが見えます。

– 準備段階を撮影する
作っている料理レシピの準備段階を紹介することも良いでしょう。これは、 設定が少し複雑になるかもしれません。 実際このショットはブラインドショット撮りしなくてはなりません。 下の画像のように、写真によってはシンプルなものになります。 この写真では前もってシュークリームに焦点を置きました。 ディレイ機能を使用し、 クリックした後、シュークリームにクリームを入れ始めました。写真が撮影された時にはクリーム入れアクションの真っ最中でした。 ショットの中でアクションが明確に、不動に見えるようにするには、シャッタースピードを確認してください。

写真5

一方、他の写真はもっと複雑で、よい写真を撮るには何枚かのショットが必要となるでしょう。 以下の写真はその例です。

写真6

何がそれほど難しいのでしょうか? カメラの後ろで調整を設定しなくてはならないのに、自分の手が写真の被写体(この場合はパッションフルーツ)となるのでカメラの後ろにいてセットすることができません。 このため、カメラ設定の調節は見ながらではないので、適当になってしまいます。
自分が何をしていようと、オートフォーカスを維持しなくてはなりません。 自分の手がある所にコリメータを配置します。 よいショットを取るために撮影場所に物体を置きます。
カメラの前に立ち、ディレイ機能を設定・クリックし、ポーズをとります。 このような写真には、常にアクションの開始部で写真を撮ります。アクションが終わってしまうと撮影するものがなくなってしまうからです。
この写真には何枚かのテストショットが必要でした。 幸運にも最初のショットが一番良い出来になりました! 😉

– 手だけが被写体の場合

古典的な構図から離れて、手で料理の皿を持ってみましょう。 自分の身体を背景にします。

写真7

今までのポイントの中で、これが最も困難な自撮りです。 ビューアで画像を確認することなくリモートで撮影するため、自分が構図のどこに入るか、近すぎるか遠すぎるか、コリメータが思った所にあるかが分りません…
ではどうすれば撮影できるのでしょうか?
自分が立つ所に物体(フロアランプが理想的です)を置きます。
そのすぐ横に立ち、ポーズを決めます。 自分の手の高さをマークするために、ランプにテープかポスト・イットを貼ります。
これでカメラ設定が調整しやすくなります。 またはマークの上にコリメータを置くことができます。 オートフォーカスを維持してください。
フロアランプがあったスポットに立ち、撮影します。 オートフォーカスを維持し続けます。

女性と、もしかしたら男性への最終ヒント
手が清潔であることを確認してください(パン生地を伸ばしている写真を撮る場合は別ですが。この場合、手に生地がついていても大丈夫です。) 、もちろん爪も清潔に保ってください。
女性の場合、色彩を追加にするためにマニキュアを塗るのもアイデアですが、 シーンと調和する一貫性のある色にしてください

写真8

写真9

 

chefNini

Virginie は2008年2月以来、chefNiniというペンネームで料理ブログを執筆しています。レシピ、技術的な記事、買いものガイドと製品テストについて情報を提供しています。
2011年以降、写真、スタイリング、クリエィティブな料理サービスも提供しています。
Pearson社から料理写真の本を執筆、出版し、Cooking Almanac をEditions 365社から出版しました。

Blog: http://www.chefnini.com
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